コミュニケーション
コミュニケーション
依頼を受けるときは聞き、終えたら伝える。相手が判断し、動けるための力。相手の頭は分からないので、予想して試す。
一つの仕事の入力と出力を担う力。依頼を受けるときは聞き、詰まったときは聞き、終えたら伝える。進め方の手順とは別の力で、どの段階でも使う。
原則は一つ
報告も提案も依頼も、相手がそれを受けて判断したり動いたりするためにある。自分が言い終えることが目的ではない。
相手の頭の中は、正確には分からない。考え方も経験も違う。だから、こう言えば伝わるだろうと予想して試し、外れたら別の言い方を試す。 繰り返すうちに、少しずつ相手に合った表現に近づく。完全には合わなくても、合わせようとしていることは相手に伝わる。
聞く:相手の言葉を、解く問題に変える
依頼は、たいてい曖昧な言葉で来る。「なんとかしたい」「速くしたい」。そのまま動くと、相手が欲しかったものと違うものを作る。
聞くときに決めるのは、次の4つ。
- 目的:何のためか。それが分かると、手段の候補が変わる。
- 範囲:どこまでやるか。やらないことも決める。
- 期限:いつまでか。それで取れる手段が決まる。
- 制約:触ってはいけないもの、守るべき条件。
これを1往復で聞けるように、こちらから候補を出して確認する。「AかBか」と聞けば、相手は選ぶだけで済む。 白紙で「どうしますか」と聞くと、相手が考えることになり、返事が遅れる。
詰まったときに聞くのも同じ。試したこと、絞れた範囲、残っている候補を添えて聞く。相手が答えやすい形にする。
伝える:結果を相手の判断材料に変える
相手は忙しい。短い文章を10秒ほどで読んで、判断が終わる状態を目指す。
- 結論から書く。
- 理由を短く添える。
- 判断に必要なことだけ残し、あとは削る。
手段にも向き不向きがある。会議は相手の時間を拘束するので、議論が必要なときに使う。長いドキュメントは、記録と網羅が必要なとき。 承認だけなら短い文章でよい。判断軸は「自分が説明しやすい手段」ではなく、相手がどう提案してほしいかだ。
報告は結論から。悪い知らせほど早く
報告の形は、結論 → 詳細(結論に至った理由、資料)。
失敗や遅れは、すぐに言う。相手が早く知るほど打てる手が多く、遅れるほど相手の選択肢が減る。 誰もが苦手だが、これは態度の問題ではなく、相手の行動の余地の問題だ。
相手によって変える
相手がどれだけ忙しいか、どこまで知っているかで、何をどう伝えるかは変わる。責任者には判断に必要なことだけ。隣の分野のエンジニアには前提から。 予想して出し、反応を見て直す。
まとめ
- 目的は、相手が判断し、動けること。
- 聞く:目的、範囲、期限、制約を、候補を出して1往復で確認する。
- 伝える:結論から、短く、判断に必要なことだけ。手段は相手に合わせる。
- 報告は結論から。悪い知らせほど早く。
- 相手の頭は分からない。予想して試し、外れたら直す。