仕事の構成要素
仕事の構成要素
仕事は、相手の問題を代わりに解いて、使える形で渡すこと。相手、問題、制約、受け渡しで決まる。一つの仕事は、入力 → 変換 → 出力。
基礎的なことができるようになった後、仕事をどう進めるかを考える前に、仕事そのものを定義しておく。 定義が決まると、必要なスキルが何かは、そこから導ける。
仕事は相手の問題を相手の代わりに解くこと
エンジニアの仕事は、相手(顧客、責任者、チーム)が持っている問題を、技術で解いて、相手が使える形で結果を渡すことだ。 これを分けると、仕事を決める要素は4つになる。
- 相手:誰の問題か。相手は何を求め、何を見て満足するか。
- 問題:何を解くのか。渡されるときは、たいてい曖昧な形をしている。
- 制約:時間、情報、リスク。全部分かってから動ける仕事はほとんどない。分からないまま、限られた時間で動く。
- 受け渡し:結果は、相手が判断や行動に使えて初めて価値になる。自分の中で完結しない。
この4つのうち、どれかが欠けると仕事にならない。相手がいなければ趣味で、問題がなければ作業で、受け渡しがなければ結果は存在しないのと同じになる。
仕事
相手の問題を代わりに解いて、使える形で渡す。4つのどれかが欠けると仕事にならない
相手
誰の問題か。何を見て満足するか
欠けると:趣味
問題
何を解くのか。渡されるときは曖昧
欠けると:作業
制約
時間、情報、リスク。分からないまま動く
インフラは戻せない操作がある
受け渡し
相手が判断や行動に使えて価値になる
欠けると:結果がないのと同じ
インフラの仕事には戻せない操作がある
制約の中で、インフラの仕事に特に重いものがある。
- インフラはシステムの最も内側にあり、成功も失敗も影響が大きい。
- 元に戻せない操作がある。
- だから、事故を起こさないために学び、準備する。起こしたときに納得できるように準備する。
「考えてから動く」「確かめてから進める」という進め方の原則は、この制約から出ている。好みではなく、外した一手の代償が大きいから、そう決める。
一つの仕事は入力、変換、出力でできている
どんな仕事も、3つの部分に分かれる。
- 入力:相手からの依頼。目的、範囲、制約。多くは曖昧。
- 変換:問題を解く。状況を整理し、候補を出し、比べ、試し、確かめる。
- 出力:結果を、相手が使える形にして渡す。
スキルは、この3つのどこを担うかで種類が決まる。
- 変換を担うのが、進め方(論理的思考・問題解決の手順)。
- 変換の材料が、知識(基礎と、個別の技術)。
- 入力と出力を担うのが、コミュニケーション(聞く、伝える)。
- 材料を増やし続けるのが、学習。
そして、出力は次の入力を変える。うまく渡せば、次はより大きく曖昧な依頼が来る。任される範囲は、こうして広がる。
入力
相手からの依頼。目的、範囲、制約。多くは曖昧
コミュニケーション(聞く)
→
変換
整理し、候補を出し、比べ、試し、確かめる
進め方
知識(材料)
学習(供給)
→
出力
相手が使える形にして渡す
コミュニケーション(伝える)
↩ 出力が次の入力を変える。うまく渡せば、次はより大きく曖昧な依頼が来る
まとめ
- 仕事は、相手の問題を代わりに解いて、使える形で渡すこと。相手、問題、制約、受け渡しの4つで決まる。
- インフラは戻せない操作があるので、考えてから動く。
- 一つの仕事は、入力 → 変換 → 出力。進め方は変換、知識は材料、コミュニケーションは入出力、学習は供給。
- 出力が次の入力を変える。それが任される範囲の広がり方。